「うちの工場は生産性が低いんだよなぁ」
「今年は本格的に生産性アップに取り組もう!」
もちろん、
工場としては毎年継続して取り組んでいることなのですが
「生産性が低い」ということそのものを
一度、立ち止まってみて、
考え直してみても良いかもしれません。
どういうことかというと
経営者は
日々収集しているデータや、
生産現場で感じる作業者の数や動きを見て感じたことなど
定量、定性の情報を取り込みます。
そして、それを何らかの基準と比較して
「生産性が良くないな、、」
と判断したり、感じていると思います。
例えば
生産数(アウトプット)÷投入時間(インプット)
を毎月観察して
前年比や前月比で悪くなっているな、、(危機感)
だから本格的に生産性アップを進めよう
というような流れです。
しかし、
現場側はその経営者が見ている生産性データを
あまり重要視していなかったりすることがあります。
生産品番によって
1個作るのにかかる工数が違うというのが
前提としてあり
少ない工数で作れる品番を
多く生産した月は生産性が上がり
逆の品番が増えると
生産性が下がってしまうなど
そもそも
その生産性というデータは
自分のコントロールできないものだと
認識してしまっている場合が多々あります。
オーダーの状況に影響を受けるから、
製造側は、他の指標
品質や納期は注意するけど
経営層が見ている生産性には
そこまで重きを置いていないという状態です。
ここで避けたいのは
「お互いの認識が違う」
もしくは
「この生産性という指標は
製造の実力・努力を表現できていない」
ということがうすうすわかりながら
今までの延長で
続けてしまうということです。
しかし、
より細かく品番ごとに分け
各品番の標準工数に基づく製品時間を決め
製造部がコントロール可能な数値として
生産性を管理するためには
管理、計算する人を含めて
かなり工数がかかることも事実です。
生産性の指標が複雑になればなるほど
中国では現場の理解が進まず
形骸化して経営層だけが見るデータになってしまいます。
では、どうすればよいのか?
まずは厳密なインプットやアウトプットの計算にこだわらず
シンプルな指標で開始した方が
現場での管理がうまくいきます。
例えば簡単な例を挙げると
出来高や不良数
というシンプルな指標は
厳しく目を光らせなくても
製造は良かった、悪かったということが判断できます。
それと同じように
生産性も、まずはシンプルな
(1)生産スピード
(2)ロス時間
(3)残業時間
という
現場も自責でコントロールできる部分に
絞って進めていくのが分かりやすいです。
(1)生産スピード
これは新しく測定する必要はなく
現在、生産計画を作成するのに使用されている
能力、CTを基準とすれば良いです。
それをもとに
生産計画、生産順序、残業時間が決められているはずです。
(2)ロス時間
(1)で決まった生産計画に対しての遅れは
すべてロス時間=停止時間になります。
生産計画を基準として
数量を時間通り、順番通りに生産した場合を
100%とすると
時間通り、順番通り作れなかった部分が
現場の生産性を下げるロスを生んでいることになります。
・基準のCTをオーバーする
・チョコ停
・材料切れや運搬による停止
・品質不良による停止
・設備故障などなど
要因は様々ですが
このロス時間が生産性に直結する指標として
製造部が気にしなければならないものです。
そして、
製造部にとってもひと目で良かった、悪かったが
分かる情報となるので使いやすいのです。
(3)残業時間
残業時間は計画の時点で
CTと生産数をもとに決まっています。
しかし、
(2)でロスが出た分だけ
残業が増加することが通常です。
((3)=もともとの残業計画+(2))
まずはこの簡単な3点を
製造の責任項目として
管理していくことが生産性向上につながります。
それを続けていくと
そもそもの生産計画や
その元になる情報の(1)が実情と合ってないのでは?
というようなことも見えてきますが
まずは
シンプルに製造現場が理解し責任を持てる数値を
決めることから始まります。
言い換えると
生産性という大きな言葉から
現場が「この数値を下げれば良いのだな」
という具体的な数値に変換してあげるということです。
そのためにロス時間=停止時間をそのまま使ったり
金額換算したりして、可視化し
評価のインセンティブにまで組み込めれば
現場の行動が変わってきます。
■なぜ、時間による管理がうまくいかないのか?
実際、どんな工場でも従業員は毎日生産情報を記録しています。
生産実績、稼働率、可動率、停止の原因、、
しかし
誰かがずっと張り付いてみている訳でなく
生産終了後の結果だったり、1時間に1回は
チェック表に記入しましょうというルールに基づいて記録しているだけです。
なので
生産中にいつ、どれだけ止まったのかというのは分かりません。
つまり、その記録はではいつ、どんなロスがあったかという
必要な事実がないため、
分析、アクションにつながらないということです。
それに加えて、人手による記録のため、
大規模の故障等、誰の目にも明らかなトラブルは記録しますが、
それ以外の、作業ミス等による細かな停止は記録されないことがほとんど。
「生産数さえ達成していれば問題無い」
その意識が生産日報、チェックにも影響しています。
これは
損失につながる停止ロスを可視化するために
人手で記録することの限界でもあります。
従業員による精度の低い記録作業をなくし
人は自動収集したデータを使って
チェックとアクションに専念する。
それを可能にしたのが
新開発ラズベリーパイ搭載の
可視化センサーです。
ライン設置にかかるのはわずか1時間
いつ、どれだけロスがあるのか丸見えに。
従業員の記録作業をなくし、
時間による工場管理をすぐに導入できる。
以下にメリットを簡単に説明しますね。
■従来の課題と解決策
(1)生産時間のムダが見えない
・従業員は生産実績のみを記録しているため
生産中の停止時間まではわからない。
・可動率の記録も生産数を元にしているためデータの正しさ、いつどれだけ止まっているかが把握できない。
→可視化センサーにより稼働データを自動で収集。
正確なデータ取得及び24時間リアルタイム監視が可能。
(2)可視化までの費用と時間
・設備メーカーとの打ち合わせ、改造コスト、
PLCの修正、データの取り出しなど、ハード面で多くの費用と時間が必要。
見える化までに1年以上かかるというプロジェクトが通常。
それに加えてシステム業者選びから開発などソフト費用が発生。
→どんな設備でもセンサーを取り付けるだけ。
1時間でハードとソフトの設定完了。
(3)データ収集後のアクション不足
・データが蓄積されていても、
ローカル従業員がうまく使いこなせず
ロス削減に向けての具体的な行動がない。
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