おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海) です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
7月末に
中国高速鉄道の新モデル車両の開発が
ニュースになりました。
試験速度450Km/時
営業速度400Km/時
ということで
現状より約50Km
速度の向上を達成することのです。
すでに試験走行も終わり
正式な導入は公式発表はありませんが
26年末には正式設計が完了し
27年頃からと言われています。
正直、
このニュースを見た時に
400Km/時がどれくらいすごいのか
イメージできませんでした。
昔は、
日本でも
「こだま」から「のぞみ」になった。
「300系のぞみは時速270Kmです」
「新型新幹線が
世界最高時速を達成しました!」
のようなニュースが
かなり流れていた記憶ですが
その後めっきり減っています。
なぜかと言うと
日本を始め、
TGVを生産するフランス
ドイツなどの他国では
既に時間短縮のメリットなどが
限られる。
本数や距離的に
最高速度を出せないなどの理由で
速さの追求は
ほとんど行われなくなり
300Km/時前後で頭打ちしているからです。
(時間的にもコストに見合った短縮ができない。)
日本では時速500Kmのリニアが
進められていますが
新幹線という
交通の大動脈が1本しかないため
地震や災害リスクを考慮した
バックアップ路線建設という側面が強く
基本的には
スピードではなく
定期的な車両更新に合わせ
速さ以外の、
安全、社内環境、省エネ
静音方向に技術発展しています。
(運行管理の向上なども含め)
一方、中国では
かなり攻めた
速度向上が行われていますが
中国がいかに広いとはいえ
最高速度に到達する時間はやはり少なく
新型モデルでの時間的な恩恵は
北京~上海間(約1300Km)でも
20~30分程度にとどまると言われています。
スピードが向上しても
ブレーキ機能(制動距離)や静音は
前モデルと同水準に
収めないといけないような目標もあり
すべての
部品の性能向上、軽量化という
技術開発が必要になっているのですが
投資対効果など
経済的メリットだけで考えると
合理的ではないように見えます。
ここが
中国と他国の違うところで
一般的には
鉄道インフラが行きわたっていく中で
・定期的な更新が中心
・求められる性能の改善
(今で言うと効率化や省エネ)
になっていくのですが
中国では
・国家による技術目標の設定
・国有メーカーによる新技術開発
・新標準の普及
のサイクルが行われており
1企業や車両製造という範囲でなく
国としての
需要喚起政策の一環になっています。
もちろん
新モデルができたからと言って
すべての路線を更新するわけではないですが
そもそも
世界の高速鉄道網の約60%以上が
中国国内で占められているので
それだけで大市場です。
それに加えて
鉄道網開発は近年加速しており
2022年は2000Km増だったのに対して
2025年は2800Kmもの鉄道網が
前年に比べて拡大しています。
(日本の新幹線網すべての長さが毎年増えているようなイメージ(笑))
速度性能を上げるというのは
単純に新モデルの車両を
導入すればよいのではなく
すべての部品や
ソフトウェアもすべて
その速度変化に対応する
新製品を開発することになり
その買い替えが必要になるため
需要喚起や雇用に関して
裾野分野への広がりも大きく
公共投資・インフラ投資としての
効果が大きくなる意図があります。
(もちろん、技術力の維持・向上の目的もあります)
なので
企業の技術開発として見ると
この速度向上は
わずかな時間短縮しかメリットがなく
合理性が無いように見えますが
国全体での公共投資としてみると
需要、雇用を生み出す装置として
つながってきており
全体で見ると
合理的だという判断の元
進められています。
これが
中国と他国の鉄道開発の違いに
現れているのが面白いです。
日本で言うと
早期に民営化を進め
効率を突き詰めていく中で
不採算路線はどうするか?
生活インフラとして維持する責任があるか、
利益を重視する経営のために切るべきか?
というような
問題が起こっていますが
中国では反対に
鉄道網の拡大を加速させています。
これが
景気対策としての公共投資なのか、
国土が広いため、
まだまだ鉄道網が不足しているから
拡大しているのかは、わかりませんが
人口減少が進んでいくことが
見えている中で
日本のような
ライフラインとしての鉄道と
インフラ維持費、採算が合わない問題に
どう対処していくのかが気になります。
P.S
いつもコメントやご感想頂きありがとうございます!
駐在体験や、日本の工場でも海外みたいになってきているよ。などなどコメントが励みになっております。
P.S
駐在員向け
中国ビジネスニュースレターを毎日配信中。
P.S
中国拠点の管理者候補のための
トヨタ式紙1枚にまとめる問題解決研修&実践コーチング
はこちら
http://www.a-solsh.com/pdf/2050609.pdf
▼関連記事▼
