おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海) です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
7月末に
中国企業代表団(28人)が
ジャカルタに訪問し
経済統括相と会議をしたことが
中国外交部の定例会見でわかり
ニュースになりました。
政治的なことは置いておき
経済的関係だけ見ると
インドネシアにとって中国は
輸出相手としても
輸入相手としても
最も大きな国であり
インドネシアは
ニッケルを始めとする資源の輸出
中国からは
機械設備や電子品など
工業製品の輸入という
典型的な
資源の輸出、
工業製品の輸入という関係です。
直近でいうと
2023年までは
インドネシアにとって貿易黒字が続いていましたが
2024年を境に、
中国からの輸入が増加し
赤字転落しているという状況です。
今回
中国の企業代表団が
訪問したのは
中国企業は
インドネシアでの資源加工のために
東南アジアの中でも
大規模な工場投資をしている
という背景もあり
そんな関係から
経済上の交流として
今後の更なる投資なども含めて
話し合った場だと発表とされています。
しかし、実際は
資源をめぐる
かなり厳しい交渉がされているようです。
そもそも
インドネシアは資源大国で
特に
電池生産などに必要な材料
ニッケルは世界生産の約66%を占め
他の供給国は
かなり多くても数%ばかりという状況で
かなり独占状態です。
(サウジアラビアの石油より、はるかに高い独占状態)
この圧倒的な資源を背景に
インドネシアは
かなり大胆な輸出規制を
今までもしてきた歴史があります。
2009年くらいに
原材料、鉱石のままでの輸出でなく
国内での精錬したものを輸出する
という基本方針が出され
この時は禁止ではないのですが
国内で精錬所の建設を進めていきます。
その後、
2014年に
未加工鉱石の輸出禁止を実行します。
産業保護というよりは
外国に対して鉱石が必要なら
インドネシア国内に精錬所を投資しないと
渡さないよ。という側面が強いです。
しかし、
そんなに簡単に
国内に精錬所が次々と建つような
投資がされるという状況ではなかったので
また
鉱石の輸出をしぶしぶ再開することになります。
まだ、今ほどニッケル需要も
大きくなかったなども背景にありますが
輸出再開の際も
今後、インドネシア国内に
精錬所を建設する計画を出さないと
輸出は認められないなど、かなり強気でした。
そこから
2020年に急展開し
ニッケルの全面禁輸を決定します。
これはかなりの転換点で
EUなどもWTOに提訴するなど
大問題になりましたが
結果的に
未加工の鉄鉱石の禁輸政策は実行されます。
(WTO協定的にはアウトという判断でしたが、政策は実行され今に至ります。インドネシア側も上訴中。)
ここから
中国企業は
インドネシアへの精錬所建設など
大規模投資を加速させることになります。
特にEV用電池など
中国企業への影響が大きいため
そうせざるを得ないのですが。
そんなインドネシア側の規制と
電池製造の強い中国企業の投資によって
インドネシアは
ニッケルの埋蔵量だけでなく
精錬の生産能力の成長が
他国と比べ物にならないくらい
進んだため
現状、世界生産の
約66%を占めるところまで
成長することができたという背景があります。
(埋蔵量だけで見ると決して世界最大ではない)
これだけ見ると
インドネシアと中国の
協力関係に見えるのですが
本来インドネシア政府としては
外国資本への依存を減らすために
禁輸措置、国内精錬を増やしたのですが
中国企業への依存がより強まってしまう
という結果になった
というのが2026年までの流れです。
そして
それを良しとしない
インドネシア政府は、
また急に
2026年5月に
自然資源
主に石炭、パーム油など
国内精錬したものでさえも
インドネシアの国営企業を通さないと
輸出してはいけないという政策を発表します。
せっかく投資し
インドネシアに精錬所や加工工場を
建設してきたのに
対象リストに入った商品は
まずインドネシア国営企業(DSI)しか
を通さないと輸出できない
つまり、
価格などを握られてしまうということになります。
(今は準備期間で2027年より開始)
インドネシア政府も
中国に気を使っているのか
電池向けのニッケルは
現状対象リストに入っていない
というのがポイントです。
説明が長くなりましたが
この政策の発表や
実施に関して
2020年以来の
急転換であるため
中国企業は気が気でないと思われます。
政府の一声で
ニッケルが対象リスト入りする可能性もあり
その政策について
今後の展開を確かめるためや
ニッケルでも
そんなことするなら
投資をこれ以上はできないよ。
など
中国企業代表団としては
事業環境を守るための
交渉の場にもなっていると考えられます。
ちなみに、
ニッケルが
この対象リストに入ったら
中国的には厳しい。。
という書き方をしてしまいましたが
今回対象になる
パーム油の影響も
かなり大きなものであり
中国は輸入の約70%超がインドネシアからです。
食品や化粧品、化学品など
多くの産業で使われるものなので
国営企業を
通さなければいけないというのが
どれだけ価格などに
影響が出るかはまだわかりませんが
インドネシアの政策には
注目が集まっています。
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