こんにちは。
カイゼン研究会 宇賀です。
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先日
元スタジオジブリ社員の方の
インタビュー記事を読む機会がありました。
小さいころからいろいろ
ジブリ作品を見てきたのですが
なぜか
「平成狸合戦ぽんぽこ」が好きで
何度も見ているのですが
その監督である
高畑勲さんの話が面白く読み入ってしまいました。
その方は高畑勲さんのもとで
8年間も制作に時間がかかった
「かぐや姫の物語」の苦労話をする
という内容なのですが
すごく印象的なエピソードがあります。
脚本家の方が
かぐや姫の脚本を持ってきて
高畑監督に見てもらった時のことで
その方も
皆さんご存じの竹取物語の設定である
内容を脚本に反映させ
「竹が光っていて、切ると中には美しい姫がいた。」
ということを
最初に書いていたそうです。
その1ページ目で
高畑監督は止まってしまい
問答が始まります。
「竹が光るってあり得るんですか?」
「切ると姫がいるなんておかしくないですか?」
「100歩譲って姫がいたとして、どれくらいの大きさなんですか?」
あなたが想像している現代の竹は
この平安時代ではまだなく
当時の日本には真竹という種類しかないですが
あなたは孟宗竹を想像していますよね・・・etc
この1ページ目の脚本を見ただけで
もうそれ以降、
この脚本家は呼ばれなくなったそうです。。
そんなことも考えないで
脚本を書く人とは仕事はできない
という意味だそうで
この1番最初の部分でこうなら
以降の脚本もそうだろうと
判断されてしまったというエピソードで
この仕事を外された方も
後の考え方に大きく影響した
との話でした。
これを読んだ時に
イチから疑う
哲学者のような人は
会社では
間違いなく怖がられますし
気難しい人だと避けられそうだな
とも思いながら
そういえば
以前いたトヨタ自動車では
こんな感じの人が
オフィスにも工場にも
たくさんいたな
と思いだしました。
新人のときは
細かすぎるし、
いちいちそんなこと考えてたら進まないぞ、、
ほぼ屁理屈じゃないか!
なんて面倒くさい人たちなんだ。
と思っていました。笑
工場の製造部でも
物流でも、技術でも
どの部門にも必ず
何人も哲学者のような人がいて
仕事の相談を持って行っても
・TPSの原点は何かわかるか?
・お前が言っているのはジャストインタイムの思想だけで、その前提の平準化をないがしろにしている。
・会社としてのあるべき姿とその仕事は矛盾している。
・本当のお客さんは製造部じゃないんじゃないか?
・お前ならではの考えではないだろ?
・そもそもこの業務の歴史をひもとくとな・・
一つのお願いをするだけでも
何度も通い、そんな根本的な問答が続き
結局説得できないまま
また次の日に会いに行く。
こんなことばかりでした。
徐々に
このあるべき姿から考えることだったり
そもそも当たり前と思っていることから疑う
高い視点と同時に
ディティールの細かさ
両方の目で見ることのすごさが分かってきて
それが
オフィスでも現場でも
当たり前のように
徹底されていることに
今でこそ感心するのですが
当時は
こんなんじゃ、全然進まない、、
仕事が終わらない。残業も制限があるのに、、
と泣きそうになっていました。笑
ですが
実際こんなやり問答が飛び交う中
仕事を続けていってわかることばかりでした。
入社する前から
「5回のなぜ」が有名なんだな
ということくらいは
知っていましたが
仕事を続けていると
2つの使い方があることに気づきます。
1つ目は
よく聞く原因を探す、
突き詰める時に使うというものですが
(下向きの「なぜ」)
しかし
実際の仕事上で飛び交っているのは
2つ目の上向きの「なぜ」
という、
何のために?
に対してものすごく使われることが分かります。
この問答や議論になると
本当に普通の会議でも
会社の方針、トヨタ生産方式
会社のスローガン、歴史
勝手にあるべき姿の
議論になっていくのです。。
しかし、
前提としてそこが分かっていないと
仕事が進まないし、
誰も納得して動いてくれない
という結果になるので、
新人のときは本当に苦労しました。
ただでは動かない、
納得しない人ばかりなので
頭でっかちはそこで鼻を折られてしまいます。。
製品1個をリフトで運搬することを
お願いしに行くだけで
こんな議論になることもあります。
そんなことはいいから運んでくれよ。
と思ったこともあります。笑
1年目から
こんなやりとりの応酬の中で
仕事しているので
3年目くらいには
無意識に面倒くさい奴になってしまいます。笑
でも
今振り返ると
一見不条理に見える
厳しい問答の中でしか体得できないもの
だらけだったと思います。
もちろん
標準やマニュアルなど文書化された
情報も豊富にありますが
それだけでは
体得できないものが
哲学者のような方たちに
コテンパンにされる中で身に着くと思います。
思えば
仏教でも
顕教と密教というものがあり区別されています。
前者は
聖典で文字として理解できるもの。
後者は
文書だけでは語れない
修行の中で師匠から弟子へ受け継がれるものです。
会社でも
効率化だ
標準化だ
マニュアル化だ
を重視しているように見え
もちろんそれも大切なのですが
実際は
この密教的部分でしか
残せなかったり、体得できないこと
ばかりだとも感じます。
スタジオジブリのような
作品作りの業界は
これがものすごく顕著だと思いますが
(高畑監督のような問答が毎日)
通常の会社や
製造業、特に海外拠点で
会社の哲学や
仕事への考え方を根付かせたり
次の世代に体得させたり
受け継いでもらうために
どうやってこの密教的要素を
取り入れるべきかということは
すごく考えさせられます。
これについては
育成という中で考え続けているのですが
まだ全然答えは出せてません。
今だとハラスメント的なことでも
厳しそうなので、
声を大にしては言いにくいですが。笑
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