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カイゼン研究会(株式会社a-Sol)です。
海外駐在コラムはこちら
https://kaizenlab-china.blog.jp/
中国の飲料メーカー哇哈哈が
創業者から2代目に引き継ぎ7年目にして
2015年以降低迷していた業績を復活させた
ということがニュースになっていました。
(2015年460億元→2024年700億元水準)
これはうまくいっている
家族企業の経営引継ぎですが
中国では跡継ぎによる問題が大きくなり始めています。
中国ではもともと
民間企業の80％以上が家族企業であり
GDPの60％以上を占めていると言われています。
後継者問題ということで
中国ならではの特徴というと
改革開放の流れもあるので
ほとんどの家族企業が
1980年代以降の創業となっており
他国に比較するとかなり新しい企業ばかりという点です。
そのため
推計では2017年～2023年の間に
家族企業の約75％が一気に経営交代期に入る
というのがあります。(創業者の年齢が60～70歳を迎える)
一気に起こる跡継ぎ問題でも
文化的な背景や2代目以降の性格的変化によって
日本とは異なる点があります。
(１)跡継ぎが少ない
一人っ子政策の影響で継承者が限られる
(２)家族主義
日本の家族企業のように
婿入りや従業員たたき上げで社長を引き継いでいく
という文化が少なく、直系や近い家系の人へのみ
後を継ぐという傾向が強いです。
そのため、跡継ぎの選択肢がより狭まります。
(３)跡継ぎの気持ちと変化
調査では跡継ぎの約70％がそのまま事業を引き継ぎたい
と思わないなど親の事業をそのまま引き継ぐことに後ろ向きです。
これは時代と人の変化でもありますが
跡継ぎの約83％が、富裕層として育ち
海外で高等教育を受けているというデータがあり
育った時代が違うので
そのまま親の伝統的事業(製造業など)を
継承せず、金融やITなどで事業をしたい
ということが多いようです。
親とは違い
海外で学んできたスキルを既存事業に活かして
IT化、ネットでのマーケティングなどで成功している企業も
ありますが、数としては伝統事業をそのまま継続したくない人が多いということです。
ちなみに
中国では相続税がないため
より簡単に事業の引継ぎができそうな環境なのですが
これが逆効果となっております。
日本や欧米のように相続税がある国では
事前に計画を立てて、次世代への引継ぎが行われ、
事業継承対策を時間をかけて行いますが
中国ではそれがないため
準備の時期や引継ぎ計画が個人の判断によるため
どうしても計画性のないままその時期に到達してしまう企業が
増えてしまいます。
家族企業への調査でも約28％の企業のみが
事業継承の計画をしていると回答するにとどまっています。
市場経済の歴史がまだ浅く
今後事業の引継ぎや事業の精算、退出が
一気に進む中国ではこれらの問題が憂慮されています。
組織をどう引き継ぐか
海外拠点でも短いスパンでの社長交代を
いかにうまく行い、後戻りせず経営を続けられるかが
課題になっていますが、
中国では事業継承のスパンが長すぎる(世代ごと)ため
引き継ぐべき、有形・無形資産、人脈がより複雑なので
どううまく計画的に継承するか？
それを円滑に進めるための
サービスや政府のセミナーが盛んにおこなわれているようです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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