こんにちは!
生産、物流現場カイゼン研究会中国支店の矢崎早人(やざき はやと)です!
(矢崎の詳細プロフィールはこちら!
http://china.a-solsh.com/staff_details04.html)
最近、中国の生産、物流現場を訪問していて共通の悩みとして出てくるのが、現場スタッフの採用と定着化です。
幹部社員はそれなりに頑張ってくれているのですが、作業の最前線にいるスタッフを募集しても思うように集まらない。そして、ようやく採用してもすぐに辞めてしまうという問題です。
工場や倉庫作業者の一般的な募集方法は、門のところに貼りだす人材募集の告知ですよね。そして、インターネットサイトでの募集や人材紹介会社の活用もあります。
しかし、圧倒的に応募が少ないと選びようがないし、こちらが選ぶ前に向こうから辞退して選択肢がなくなってしまうという状況も起こっています。
また、ようやく採用できた人材も、仕事が辛いとすぐに辞めてしまったり、作業をやらせても不真面目で期待する成果をだしてくれなかったりということもあるようです。
中国の経済成長に伴う社会構造と生活様式の変化に伴って、雇用する側とされる側の関係は従来通りにはいかなくなってしまっているのでしょうか?
給与という価値基準だけによる採用と現場運営は、大きな岐路に立たされているように感じます。
1.お金を稼ぐことに対する捉え方が変わってきた?
工場や倉庫で働く現場スタッフの給与水準は、基本給与だけでは不足し、残業代を含めた総収入でようやく家計が成り立つ場合が多いと思います。
現場スタッフは残業をしないと必要な給料を稼げないので、夜遅くまでの残業や土日出勤を行うことが常態化しています。
当然、できれば残業や土日出勤は避けたいですから、少しでも給料が高くて楽に稼げる仕事があれば、人材は自然とそちらに流れて行きますよね。
これは今までもよく聞いてきた話でした。
しかし、最近は給料が高くても現場スタッフが定着しないというケースもあるようです。
先日訪問した現場では、一般的な製造現場スタッフの1.5倍から2倍くらいの給与を払っているのに、スタッフの流動化が止まらないというのです。
特に二十歳くらいの若い世代が顕著なのだそうですが、数カ月の給料をもらったらそれを使って恋人と遊びに行ったり、長期休暇を取ったりするのだそうです。
そして、現場で根気の必要な作業や難しい作業はできるだけやりたくない、給料が低くてもいいからもっと簡単な仕事にしてほしいと会社に訴えるといいます。
もう給与だけが価値基準になっていない現状を示す一つの例ですね。
2.職場環境が重視されている
当研究会でも経験がありますが、90年後世代を採用する際に、彼らは職場環境を大変重視しているように感じます。
生産、物流現場であれば、冷暖房が完備してあるかは重要な要因ですし、現場がきれいか汚いか、残業が多いか少ないか、会社の雰囲気はどんな感じかなど、お互い情報交換をしています。
当研究会で以前に採用した営業アシスタントは、学校を卒業したばかりの90年後世代の新人でした。
性格も穏やかで頭の回転も早く、コミュニケーション能力も高かったのですが、入社10日目で辞職してしまいました。
理由は2日間連続で1時間ほどの残業があり、将来こんな生活を続けていくことは到底受け入れられないというのです。
もちろん新人にいきなり残業をさせてしまった会社側の問題もあると思いますが、業務を理解し覚えていく過程で発生した残業でした。
つまり、残業に対する会社側の捉え方と本人の捉え方が入口で大きく異なってきているように思います。
当然、そのギャップは社内研修の過程で埋めていくべきものなのですが、それ以前の段階で本人に離職を選択されてしまうと、会社側としては大きなマイナスになりますね。
これは特異な例だとは思いますが、職場環境に対して柔軟な対応が必要になってきていることが言えると思います。
3.給料以外の欲求をどれだけ満足させられるか
給料だけが職場選びの基準で無くなってきている中で、本人にとって会社側がどんなメリットを提供できるのかを考えてみると、その内容は多岐に及びます。
例えば、マズローの欲求段階説で説明すれば、「安全の欲求」を求める人もいれば、「所属と愛の欲求」の人もいます。あるいはその上の「承認(尊重)の欲求」や「自己実現の欲求」の段階の人もいるようです。
もともと価値観が多様化している中国人コミュニティの中で、さらなる多様化を受け入れ、それに対応していくのはとても大変です。
もともとは経営トップのカリスマ性や人間的な魅力でつながってきた関係も、世代間の価値観ギャップを埋めるのは苦しくなってきているのではないでしょうか。
そこで重要になってくるのが会社理念や企業理念になると思います。
会社理念の定義は、給料以外でスタッフ達がこの組織に集まる拠り所です。
当社のスタッフであれば、必ず会社理念に同意し、それに沿った行動をしなければなりません。
例えば、当研究会では、約2年前に会社理念を「感謝」と定めて、スタッフへの浸透を図りました。
会社理念に沿って行動しているスタッフを評価し、表彰することで、給料以外の拠り所を醸成していきました。
そして、各スタッフのさまざまな欲求段階に応じた表彰のメニューを実行し、それを可視化してオフィス内に展開しています。
詳しい事例は下記をご参照ください。
http://china.a-solsh.com/kiwamu.html
また、ご関心がありましたらオフィス見学も随時受付中です。
http://china.a-solsh.com/center09.php
スタッフたちに会社理念を浸透させ、給料以外の欲求を満たすための方策はいろいろあると思います。
その一つとして今回皆さんにおススメするのが10月30日から開講した現場カイゼン塾【実践編】です。
http://china.a-solsh.com/kaizenjuku_jissen.php
この塾の目的は、受講生にカイゼンの成功体験をしてもらうことです。
成功体験をすることでカイゼンの手法について楽しさをもって習得し、カイゼンに対するモチベーションを高められます。
具体的には、モデルラインとして、扇風機の組立ラインを使って体験学習を行います。
中国で販売されている扇風機を50台購入し、それらを分解して部品ごとに並べました。
組立用のラインや工具も用意しましたし、カイゼンの道具もいくつか準備してあります。
毎月1回8時間×全6回のプログラムで、すでに第1回目は終了しましたがまだ間に合います。
この現場カイゼン塾【実践編】に参加すると、マズローの欲求段階説でいう「承認(尊重)の欲求」や「自己実現の欲求」を満たすことができると思います。
現場に一番近いリーダーに参加いただくのが効果的ですね。
ご関心をお持ちの場合は、このメールにご返信くださいね。詳しい資料をメールいたします。
また、インターネットからもお申込みできます。
http://china.a-solsh.com/kaizenjuku_jissen.php
では、皆さんからのご連絡をお待ちしております!
生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
矢崎早人
==== このニュースレターの目的 ========
このニュースレターは、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、
日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思
い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務
カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず
皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。そ
の事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、
ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがあ
りましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
当研究会では、しつこい売り込みは一切ないので、安心してお問い合わせ下さ
い。
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