こんにちは!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会中国支店の矢崎早人です!
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「仕事と生活の調和」と訳されるワーク・ライフ・バランスという言葉が日本で使われ始めたのは、2007からだそうです。
プライベートを犠牲にして働きつづけなければならない仕事環境を少しでもカイゼンするために提唱された概念だと記憶しています。
私は日本を離れて5年になりますが、日本のワーク・ライフ・バランスは良くなったと言えるでしょうか?
ここ中国では、基本的に残業はしないし、与えられた業務以外のことはしないなど、仕事に対する割り切りが明確になっているように感じます。
それはそれで良い面もあるし、ちょっともの足りない面もありますよね。
我が家には1歳7カ月になる娘がいるのですが、子育てと家事を両立させるため「アイさん」と呼ばれるお手伝いさんを雇っています。
日本に比べて価格も安いので、日本人駐在員のご家庭の多くはこのアイさんを雇っていると思います。
ただ、このアイさんですが、彼女たちの仕事場は基本的に私たちのプライベートのど真ん中になるわけですので、なかなか相性のいい人を探すのが難しいと言えます。
つい先日、我が家では、娘が生まれる前から来てもらっていたアイさんが家庭の事情で辞めることになりました。
とても良いアイさんだったので残念だったのですが、嬉しいことに、彼女は自分の代わりになる新しいアイさんを紹介してくれました。
そのアイさんは妻よりも10歳くらい年上のベテランで、娘もすぐになついたので、即採用を決めました。
そして、初日の仕事が終わった後、妻から悲痛のメールが私に届きました。
「もうこのアイさんとはやっていけない」というのです。
詳しく話を聞いてみると、理由は子育てに関する考え方の違いだそうです。
アイさんは、我が家で娘に食べさせているものが間違っていると妻を責めるのだといいます。
朝から果物を食べさせてはいけない、玄米は絶対食べさせてはいけないなどと細かく指摘され、ついには口論に発展し、家事をするどころではなくなったと言っています。
私たちは間違って姑(しゅうとめ)を雇ってしまったのでした。
このアイさんには2日後に辞めてもらいましたが、そのいきさつを会社の女性社員に話すと、中国では世代によって子育ての考え方がまるで違い、どこの家庭でも嫁姑問題は深刻であり、非常に苦労しているといいます。
特に一人っ子政策を続けてきた中国では、子供は宝宝(バオバオ)と呼ばれ大切にされていますので、その教育方針の違いは多くの軋轢を生むだろうことは容易に想像ができます。
ところで中国の産休は法律で4カ月間と決まっています。しかし、実際に生後4カ月の乳飲み子を抱えて仕事をするのは本当に大変です。
我が家は4カ月の休みを2カ月延長させてもらって、6カ月後に仕事に復帰しました。そして、勤務時間中は日系の託児所に子供を預けました。
中国の一般家庭では、夫側の両親が赤ちゃんの面倒をみるために息子夫婦と同居するのが通例だそうです。
つまり、嫁VS姑の組み合わせは最悪ということになりますよね!
妻側の両親が同居する場合は、夫側の両親が生活費などのお金を払うというケースもあるようです。
そして、中国では3歳以下の子供を預かってくれる中国系の託児所はほとんどないそうです。あったとしても午後3時までだそうです。
当研究会の社員が子供を託児所に預けたいといろいろ探しまわったあげく、結局見つからなかったので、我が家と同じ日系の託児所に預けたというケースもあります。
私の回りにいる数人からのヒアリングによるケーススタディではありますが、中国では嫁よりも姑の方が若干強いように感じます。
嫁は内心いろいろ不満があっても、基本的に姑の指示に従うことが多いようです。それは夫の親であり、子供の面倒を夫側が受け持つという背景からもうかがい知れます。
中国では農村部から都市部への人口流入が落ち着いてきたと言われています。
生産、物流現場の人員確保はますます難しくなっているとも言えますが、人員の定着化が進んでいる現場の多くは「本地人」と言われる地元の人たちの採用を進めています。
特に若い女性は手先も器用でよく働いてくれるので重宝されますが、彼女たちもやがて結婚して子供が生まれます。
子供が生まれると、その家庭内では上述したような様々な悩みと葛藤があり、場合によっては会社を辞めるという結論に至ることもあります。
家庭の事情は非常に個別的なマターでもありますので、会社としての対応には限界があります。
ただ、私は中国で生産、物流現場を運営していく上でこのような中国のワーク・ライフ・バランスの現状とリスクを理解しておくことは、とても重要ではないかと思います。
当研究会では、子育てにからむ家庭の事情により2名の優秀なスタッフが辞めて行きました。会社として託児所を設けてはどうかと本気で検討したこともあるのです。。。
ということで、今回は中国のワーク・ライフ・バランスの考え方を紹介させていただきました。
それではまた、皆さまのお役に立ちそうな情報があったら配信させていただきますね。
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
矢崎早人
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この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務
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