おはようございます!
カイゼン研究会の宇賀です。
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とある工場で
幹部以上が集まる経営会議に参加させてもらった時のこと。
安全、品質、生産、納期、クレームなど様々なデータをもとに
先月の状況を確認します。
その中で可動率の報告がありました。
「目標70%に対して62%だったので未達です。」
「原因は調査中ですが、
2号機の故障が多かったためと思います。」
そして
次の月の同じ会議でまた報告
「今月は72%でしたので異常なしです。」
「それでは次の品質に移ります。」
このように毎月続いていきます。
これの何が問題かというと
結果報告のみになっているということです。
日本人総経理も参加していますが
報告も多く、細かく指摘している時間もないので
単純に結果を聞くだけになっていきます。
本来は、結果はアクション開始の合図であり
そのアクション(施策)をどうするかというのが重要になります。
しかし、
現状こういった会議で慣れてきた部下に
そこまでを求めてしまうと別の悪い習慣が生まれます。
それは
思いつく対策、今までもやったことのある対処を
並べるだけになってしまうことです。
より、詳細でもっともらしい話になりますし
本人も真剣にこれで解決するはずと思っています。
ここでやるべきことは
「どうやって解決するの?」
という考えになってしまうのを1度我慢して
まずは問題を見つけることに専念する。
ということです。
これがマンネリ化を防ぎます。
結果が悪かったから何とかしようでなく
取り組むべき問題は分かっている
という状態をまず目指すということです。
どういうことかと言うと
例えば
可動率目標が70%だとします。
現状62%でした。未達です。
○○することで次月達成予定です。ではなく
——————————————————
設備、品番別停止時間で分析すると
この品番に悪さがあることが分かります。
原因別でみるとAとBが○○%を占めます。
なので
この原因A、Bによる停止が問題点です。
——————————————————
可動率目標を達成するために
これをやります!ではなく
この品番の、原因A,Bが問題点だという
取り組むべき具体的な問題点への絞り込みに
まずは専念するということです。
(問題は何か?で議論や深堀をする)
原因の深堀りや解決策だしの前に
抽象的な問題を具体的にしていくことが
問題を見つけるということです。
そうでないと
最初の例のように
やっているようで進まないということが起こります。
これを進めるには以下の障害を取り除く
必要があります。
1.緊急性の欠如
2.環境の欠如
3.方法の欠如
1.緊急性の欠如
クレームなど目に見えて
緊急性の高い、会社に損害を与える問題の場合は
原因分析や対策までを通して
どこで終わりかということが明確です。
しかし、
可動率が低いというような日々の向上
を問題とする場合
当事者としては
「納期が遅れたわけでもなく
生産数も達成しているじゃないか」
ということで緊急度が下がります。
その間に毎日のように別のトラブルの対応に追われ
本格的に取り組むことなく、数字だけが上がったり
下がったりする結果を見て、後付けの理由を報告となります。
その習慣をやめるために、対策ではなく
まずは問題を見つけるということだけに専念してもらいます。
そうすることで
短期的な処置ではなく、長期的な向上につながる
テーマとして保持できるようになります。
2.環境の欠如
問題を見つけるために
必要なデータはあるのか?ということを
見直すところから始めます。
データ収集
↓
可視化
↓
分析、問題点特定
(ここで言う問題を見つけるということ)
↓
原因分析
↓
対策
↓
効果測定
(データ収集に戻る)
現状、可動率62%というデータはあるけど
品番別、設備別、原因別、
停止時間などのデータがなければ
問題を見つけることができません。
最低限、問題点を特定できるために必要な
データが取れる環境がある状態を作ります。
3.方法の欠如
突然、問題を見つけることに専念しようと言っても
担当者はやり方が分からないので
思い当たる困りごとを挙げるだけになります。
可動率なら
まず、設備別、品番別、停止原因別に見て
という調査、分析の順序は教えるまたは
手順化してあげることが必要になります。
データがあり、やり方が分かれば
問題を見つける(数値が悪い部分に気づく)
というところまでは定型化できるはずです。
長々と書いてきましたが
まずは管理者の仕事として
問題を見つけることに専念させる。
そうでないと
日々のトラブルシューティングで時間が過ぎてしまい
月、年単位で時間をかけて取り組むべきテーマが
蓄積されていかないという話をしてきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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