こんにちは!
カイゼン研究会の宇賀です。
同じ現場を歩いていても
「今日は何かおかしいなー」
「もっと、こうしたら良くなるんじゃないか?」
と、違和感を持つ人と
「特にいつも通りだな」
と予兆や改善点に気づかない人がいます。
何がこの違いを生んでいるのでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
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いかがでしたでしょうか?
能力の違い?経験?
いろいろ思い浮かぶとは思いますが、
それは比較対象があるか?
すなわち
その人の中に「基準」があるかどうか?ということです。
どういうことかというと、
人は何かと比較することで
初めて「良い」「悪い」と認識することができます。
そして、
その何かが「基準」であり、
「当たり前と思っていること」であり
「こうあるべきだ」という状態です。
厳密に言うと、
それぞれの人はそもそも自分の基準を持っています。
しかし、
ある物や情報、状況に対するそれぞれの「基準」が違っているので
対応や行動に差が出てしまうのです。
みんなバラバラの基準を持ち、
それぞれの反応をしていては組織はうまくいきません。
なので、
組織、工場ではこれが当たり前の状態だと
客観的にわかるように、標準作業やルールというのを作っていきます。
そして、
それと違っていたら
「悪い」と判断しようというように管理しています。
ですが、
それは裏を返すと組織で決めた基準の範囲でのみ考え、
判断しているということでもあります。
簡単に言うと、
言われたこと以外はやらなくてよい、
という思考に悪意なく陥ってしまうのです。
【組織での流れ】
(1)個人の基準はバラバラ
(2)それによってバラバラな判断や対応が生まれる
(3)それでは効率が悪い
(4)組織としての基準を決めよう
(5)決まった基準の中に居続ける(停滞)
→習慣、今の環境に適応してしまう
これは標準作業のありなし、
標準3票があるから大丈夫という話ではありません。
標準書のない組織でも、
暗黙の了解や受け継がれてきた基準をもとに従業員は仕事しています。
書式化された標準があろうがなかろうが、
どんな組織でもレベルの違いはあるにせよ、
今ある基準に適応してしまい停滞は起こります(トヨタでも例外ではなく)。
これは個人でも同様です。
管理監督者の仕事でよく
・基準を作ること
・基準を守らせること
・基準をさらに良くすること
とよく言いますが、
「さらに良くする」というところにはハードルがあります。
なぜなら、
自分で作った現状の基準に対して
不満や疑いを持ち続けないといけないからです。
そして、
不満を持つということは
自分の中にさらに良い基準があり、
それと今を比較し、「差」に気づいていることが必要だからです。
現状に適応するというのは、
今の基準に沿った行動を効率化することでもあります(慣れていく)
では、
何が問題かというと、
「今より良くするためには?」という反応が起こらないことです。
ほとんどの経営者や幹部が
従業員に対して不満を持つときもこの状態です。
しかし、
ここで大事なのは
(1)現状への適応
(2)基準自体を変える
この2つのモードはどちらも必要だということです。
(1)が長すぎると停滞につながりますし、
(2)ばかりだと非効率が発生します。
そして2つのモードは2者択一というわけではなく、
製造部のライン作業者は(1)の状態でよいが
製造部のIT担当者は(1)では困る、(2)基準自体を見直し、新たな変化をしてほしい
というように、
部署や機能、役職、環境によってどちらのモードが
望ましいかというのが変わると思います。
なので、
個人でも組織でもまずやらないといけないことは、
個人の習慣や組織のどの部分に
(2)の「基準を変える」必要性があるのかを決めるということです。
全体を対象にするのではなくて、
どの部分に(2)のモードが必要かを考えるということです。
そして、
それが決まった後にこの停滞を抜け出すために
・個人が新たな基準を持つ後押し
・組織として新たな基準を提示する
この2つを対象の部門や人に実施していきます。
例を挙げると、
駐在員の方がなぜ中国工場を見ておかしいなと思えるかというと、
比較対象(日本という基準)があるからです。
それに加えて、
先輩や上司の仕事を見て学んだこと、
他社に行って気づいたこと、
研修で学習したこと、
本や動画で学んだこと
自分より高い基準に触れることの積み重ねで、
自分の当たり前が更新されていき、
そのモノサシで比較できるようになっていきます。
その基準の刷新があるので、
工場にいても「こうしたら良いんじゃないか?」という
自分の中のあるべき姿と現状の比較により、
その差を埋めるための企画が生まれます。
もし、
それができないということは
組織内の基準と自分の持っている基準が
ほぼ同じになっているということです。
良くも悪くも差が認識できない状態です。
そういった基準の刷新に良く使われるのがベンチマークです。
「外部の刺激に触れて、自分の基準を刷新し、その新しい基準を使って何かやってみろ」
トヨタではこういう研修が多く、
他工場でも他社でもまずベンチマークに行って比較してどうなのか?
ということをまず聞かれます。
TPSも2本柱であるジャストインタイムと自働化は、
ある意味完全に達成することができない基準なので、
そのギャップを埋めるために日々仕事はするのですが、
やはり停滞気味になることは避けられません。
特に今まで体験していない新しい分野、
事務職のデジタル化やカイゼンなどは
号令や会社方針で発表されてもほっておくとまったく進みません。
しっかり進めようとすると
ある程度のリーダーをIT研修や、
成功している部署に行かせ、
企画を作らせるところまでがセットです。
そうして、
停滞とどう戦うかということに外部刺激、
ベンチマークを使いながら必要な場所に
基準を更新する機会をどう設計するかが重要になってきます。
ここまで
・基準への適応、停滞と基準の刷新、2つのモードがある
・刷新を行うべきはどこか?を考える
・刷新(新たな基準を作り出す)ために、どんな刺激をいれるか」
について書いてきましたが、個人(自分自身)についても全く同じことが言えると思っています。
今の生活や仕事の中で適応しすぎていて、停滞、進歩していない部分
基準、習慣自体を見直すべき部分
自分の中で新しい基準を作るには、
どんな刺激(より高い基準を持つ人や情報、体験)が
必要かということを考えたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
