おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
以前、
今年の全国人民代表大会で
スポーツ消費の推進がトピックになった
ということを書きましたが
https://kaizenlab-china.blog.jp/archives/12485930.html
(過去記事)
内需、国民消費が弱い
中国経済の課題に対して
スポーツ・娯楽で活性化を図っていくというものでしたが
中国での人気スポーツ
サッカーの分野で
4月11日に大きな話題を集めたニュースがあります。
それは
江蘇省の
「常州」が「常洲」に改名する
という政府発表ニュースでした。
なぜ急に?どういうこと?
となっていたのですが
理由は
サッカーの江蘇省スーパーリーグで
昨年1得点もできなかった常州チームが、
4月の開幕戦で
3:0で勝利をおさめたことに関連し
中国語では3点水と呼ばれる
「さんずいへん」を名前に追加するという
政府からのユーモアにあふれた
ニュースでした。
ここからが面白く
もちろんこの改名はシャレなのですが
4月12日を休日にしたり(もともと日曜日です。)
4月12日は公共交通機関をすべて無料にする。
(本当に実施)
各観光地が
4月12日~19日は
王さん(得点を決めた選手の姓)はすべて無料
常の文字が入っていれば無料
などなど
政府が公式に
サッカーの試合に一喜一憂する様子や
本当に政策が実施されることを発表するなど
ニュースにも取り上げられ
多くの人が関心を持ち
かなり
マーケティング的成功を見ても
各省に広がるモデルケースになっています。
目立った部分は
このニュースなのですが
実はかなり予算も投入されており
この予算の出所が注目ポイントです。
サッカーの試合(スーパーリーグ)
江蘇省の場合で言うと
・観戦チケット割引
・観戦用無料送迎バスの手配
・公共交通機関無料
・関連グッズやスポーツグッズのクーポン券配布
など
江蘇省のクーポン配布だけで
5000万元以上の補助を消費者に出しています。
他省でも差はありますが
同様の施策を開始しており
(家電やスマホ購入への補助金に似ている)
いったいどこから
このお金が出てくるかというと
制度上は
中央政府は全く予算に関与しておらず
地方財政と地方宝くじ(彩票)の売上から
このスポーツ消費推進予算を捻出しています。
今までと
何が変わったかというと
宝くじの
売上配分については
今までは使用用途への制約がありました。
ハード面に多く使われており
・施設建設(箱もの)
・施設のメンテナンス
建設会社に支出していました。
そして
一部をソフト面
・スポーツ大会の運営
・選手・指導員の育成
に使うというのが
地方政府の一般的な使い方で
個人消費への補助などには使ってはいけない
という制約があったのですが
この制約がなくなったのが
大きな変化点です。
建設系への予算配分が下がり
消費刺激、クーポン、ファン育成など
個人への施策に配分替えがされている背景があります。
また、
地方財政についても
今まで実績ベース
去年の予算実績をもとに
今年の予算を決めるというものが
ゼロベース予算に変わり
投資収益率で見られるようになった
省が増えてきています。
来年の予算が減らされるから
今年の分を使い切らないと、、
という行動を防ぎ
投資として成り立っているか?
収益性が高いか?
という観点で予算配分を決めるようになります。
この観点で言うと
スポーツ消費への投資を
なぜ、
国がここまで
優先課題として設定しているかにつながります。
全国人民代表大会でもあったように
スポーツ消費への補助が
1元あたり3~5元の関連消費を誘発する
というデータに基づいて
他の投資に比べて
収益性が高い(効率が良い)という理由で
優先されています。
しかし、
裏を返せば
結果が出なければ
すぐに見直しが入るかもしれない
ということでもあり
スポーツ観戦やイベント参加、
それに伴う消費というのは
かなり
文化や習慣を作るという
長期的な視点がいる積み重ねでもあるので
このスポーツ消費の推進の結果がどうなり
今後の投資や制度変更に
どのように影響するかに注目が集まります。
ちなみに
日本をはじめ、他国では
こういったばらまき政策はあるのですが
(選挙のため)
経済学的に効果があったのかは
ほとんど証明されていないため、
中国では政策として採用されてきませんでした。
(コロナ下でさえしなかった)
近年はこの収益率のデータに
基づいているからなのか
どうかわかりませんが、
急に、
消費者個人への補助が増えており
どの省でも競うようにばらまき始めているので
この変化に少し驚きます。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
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