おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
中国では
2010年ごろから
輸入率が80%以上になっている銅に対して
安全保障上の理由から
アルミ材への代替を推進する動きをしていました。
その中でも
特にエアコンは重点対象として
扱われています。
(熱交換器の管(伝熱管)などに銅が使われている)
ダイキンを始めとする
日本企業ではこのアルミ代替は
業務用の室外機などで
技術的にも普及でもかなり進んでいるのですが
中国企業では
研究は進めているものの
業務用、家庭用含めて市場導入が
まだなかなか進んでいません。
2025年には
銅が40%も値上がりし
そういった市場環境を含め
今後も値段が高止まりするという予想から
中国政府は
アルミ産業高品質発展実施方案という
具体的方針を出しました。(以前より強い方針)
業界内で協力させ
銅からアルミへの代替を
より強く進めているのですが
中国シェアNo.1メーカーの
格力(グリー)が、
その自主規制に署名しなかったことが
ニュースになっていました。
(強制ではない)
エアコンは
業務用、家庭用
室外機、室内機
冷媒配管など
一口にアルミ化すると言っても
かなり複雑なので
詳細は省きますが
かんたんに言うと
格力(グリー)は
純正の銅を使っているということを
売りにした宣伝をしており
今回の政府方針で
業界として、
銅が良くて、アルミは悪いというイメージを
連想するような宣伝などは控え
アルミでも科学的に問題ないことを
消費者に説明するような
自主規制に応じなかったのです。
これには
中国ならではの原因があり
2010年代にも
銅が値上がりしたことを受け
中小メーカーが材料費を下げるために
アルミへの切り替えを行ったことがあります。
まだしっかり
実証や耐久検査もしていないどころか
低品質なアルミ材に切り替えたので
穴あきや腐食などが
アルミ管に発生し
冷媒漏れ、水漏れ、冷暖房が効かない
発火リスクもある。などなど
クレームの嵐となりましたが
中小メーカーなので保証もしっかりしておらず
そのほとんどを消費者自身で負担することになる
ということが多発し、
連日ニュースになったりしていました。
この結果
中国の消費者にとって
アルミ材を使用している
=品質が悪く、手抜きですぐ壊れる
という
イメージが定着してしまっているため
格力(グリー)にとっては
アルミ代替を推進するというのが
ブランドイメージを悪くするという
判断につながったようです。
こういった中小メーカーに対して
格力では、
低価格だけでなく、
自主的な10年保証をうたうなど
品質と信頼のイメージを築くことで
成功してきた企業のため
政府の推進と言っても
すぐにアルミ切替ということは
言えなかったという背景があります。
(研究や商品化もしていますし、海外への輸出品ではすでに生産している。)
そんな消費者心理があるため
各メーカーも
広告や宣伝において
「銅を使っている」
ということを売りにしている格力に対して
自社だけ
アルミ使用品と謳うことに
リスクを感じており
政府の推進があるにもかかわらず
なかなかそれを消費者に言うことをためらう
という、ジレンマに陥っています。
ちなみに
銅の値段について
供給面については
・鉱山
・精錬(電気銅への加工)
・加工(電線やケーブル・部品にする)
など役割が分かれていて
値段が上がる時は
これらのどこかが
ボトルネックになっていたり
需要が増えたりしているのですが
近年は
鉱山の採掘量がボトルネックになっていること。
(チリやペルーで鉱石品位という採掘量当たりの銅が含まれる量が下がり続けていたり、新規鉱山の開発がされていなかったり、チリのストライキや水不足で採掘量自体が落ちているなどなど)
長期的に
供給量が上がる見込みがないことに加え
需要面でも
・電気自動車
・太陽光・風力発電
・AIデータセンター
などで
需要がかなり増加している背景もあり
長期的に値段が下がる見込みもないことから
政府としてはアルミへの切り替えを急いでいます。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
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