おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
中国で、
なくてはならない存在になっている
フードデリバリーサービスの配達員や
タクシーの運転手など
こういったプラットフォーム
(配車アプリや出前アプリ)を利用している
労働者をギグワーカーと呼んだりしますが
このギグワーカーの
労働条件が急速に変化していることが
ニュースになっています。
日本でも
徐々に増加していますが
中国では
配達員やデリバリーなど
狭義のギグワーカーでも
約8000万人
他の職業も広く含めると
約2億人という規模で
日本とは違い
既に国のインフラとなっているくらい
影響の大きい労働者となっています。
2021年ごろから
この配達員の時間に追われる過酷さや
事故の増加、労働災害、過労死などが
ドキュメンタリーや
報道、映画にまでなって
全国的な問題として
可視化されたのですが
そこから
政府も本腰を入れ
労働条件の改革に動き出しました。
2022年からは
一部の地域で
労働災害、事故の保険を
加入するようにプラットフォーム企業に
義務付けることを開始し
2025年からは地域の拡大
2026年以降は全国での統一へと
指示を出すまでになりました。
一部の企業では(京東グループなど)
事故や保障だけでなく
社会保障(五険一金)を企業が負担して
フルタイム労働者には加入させるなどしているので
そちらが標準になっていく流れですが
ここまでは
さすがに政府もまだ義務付けることまでは
できていません。
企業負担が増すことで、
雇用数自体が減る可能性があるからです。
これは
けっこうすごいことで
大きく見ると、日本や欧州でも起こっている
雇用設計への取組みです。
この問題は
大きく分けると
(1)非正規雇用の問題
(2)派遣労働の問題
(3)フリーランスやギグワーカーの問題
で
企業と労働者に対する
各国の考え方がかなり反映されます。
(1)に関しては
勤務先での労働者なので
責任は雇用している企業側とはっきりしています。
(問題は報酬や労働条件の差)
(2)は
派遣会社と派遣先企業で
責任がグレーな部分(労働条件の責任)があり
そういう部分が議論されています。
今回の(3)は
今どの国でも増えており
守られるべき労働者なのか
取引先なのかで判断が分かれます。
この
フリーランス・ギグワーカーの問題は
一見、
誰にも雇われず独立して働く
新しい働き方のように見えますが
働き手の実態は
外部委託(平等な関係)と言いながら
雇用責任のない労働者のように
扱われていたりすることです。
非正規雇用では
企業側に責任が求められますが
この(3)は
個人との業務委託扱いなので
保護されない対象となり
企業からすると
労働条件の厳しい
(1)や(2)の代替として
より
コストパフォーマンスが高い
使い方が可能なので
急速に増えているのが現状です。
これに対する
日本、中国、欧州の
対応はかなり分かれており
日本は
2024年のフリーランス新法で
この問題へ対応しましたが
内容は
契約内容の明確化など
取引をする企業の責任というよりは
お互いの契約内容、業務内容の明確化
下請け叩きを防ぐ環境を作るという形で
欧州、中国と比べると
企業の側に立った判断で進めています。
(取引先という扱いは変えず)
欧州では
取引頻度や労働の実態(客先常駐)
などから判断し
取引先というよりは
保護すべき労働者(個人)という扱いを強調し
保険や待遇などは
正社員同等の保護が義務づけられており
プラットフォーム企業や企業が負担する
というような、
より企業に厳しく
労働者を守る方向の制度となっています。
中国の場合は
少し中間のような扱いで
各国より
このギグワーカーの比率が高いので
国民感情に対処する形では、
彼らの保護を全面的に
打ち出してはいるのですが
欧州のように企業に
正社員対応を義務付けることまではできない
(企業負担が増え、雇用が減るという不安)
という中で
試験的に一部地域でトライアルをし
そこまで雇用に影響がなかったため
まずは事故の補償、労災の保証を
義務付け(法律ではないが政府からの指示)を
全国展開させていくという進め方をしています。
この雇用問題に関しては
日本は
すでにある法律に対して
運用への対策。(ギグワーカーの定義は変えない)
欧州は
法律(標準・ルール)自体の見直し。
(労働者と定義しなおす)
中国は
法律ではなく
政府の企業への指示で運用
という
どこかその国の性格が出るような
進め方に見え、とても面白いです。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
P.S
駐在員向け
中国ビジネスニュースレターを毎日配信中。
P.S
中国拠点の管理者候補のための
トヨタ式紙1枚にまとめる問題解決研修&実践コーチング
はこちら
http://www.a-solsh.com/pdf/2050609.pdf
▼関連記事▼
