こんにちは。
カイゼン研究会 宇賀です。
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仕事では
江蘇省の無錫をよく訪れるのですが
桜がきれいな場所があるから
一度くらいは見に行った方が良いよ
と言われていたので
軽い気持ちで
清明節の休みを使って見に行きました。
まったく
下調べをしていなかったことを
後悔するのですが
無錫について
目的地である黿頭渚(げんとうしょ)へ
タクシーで行くと
信じられないくらい
多くの人が並んでいて
全然桜も見当たらない場所で
降ろされ、
もう、帰ろうかと迷うくらいでした。笑
そこにいた人に状況を尋ねると
今はシーズン中なので
タクシーで直接、
目的地には行けず
4~5Kmも離れた場所で
降ろされていたようで
そこから
バスに乗って目的地まで
向かうというルートになっており
目にした人だかりは
そのバスに乗るための行列だった
とわかりました。
どうりで桜が見当たらないはずだと
納得しながら、
こんなに人がいるなら
あきらめるか迷っていました。
もう少し詳しく聞くと
その目的地(黿頭渚)に着いたのちに
さらに園内のバスに乗り
桜並木の名所、
庭園のようなところに行く
という流れが待ち受けているそうで
園内のバスは
この場所以上に人が並んでいる
というのを聞いて
これはもう、やめておこう。
となり、いったん諦めました。笑
無錫と言えば
蘇州や揚州のように
水運の拠点となった街で
経済が栄えた場所でもあるので
もう一つの目的地であった
中国郷鎮企業博物館
(地方の中小企業博物館のような意味)
に向かいました。
到着すると
先ほどの状況が嘘のように
まったく人がおらず
ほぼ貸し切りのような状態でした。
博物館では
無錫を拠点とした
栄氏企業というのが
歴史的に中国を代表する
民間企業の模範として扱われており
栄宗敬、栄徳生の兄弟が
清末、
日清戦争後の東北地方の混乱
食糧不足をビジネスチャンスだと目をつけ
無錫で会社を起こし
製粉を東北向けに
売り出したことから始まります。
そこから
工場を建て
製粉生産にも乗り出し
無錫を拠点に
上海、武漢にも
製粉工場を拡大していき
1922年は全国12の工場を持ち
製粉大王と呼ばれるまでになっていた
起業家です。
同じ時期に
紡績事業も始め
上海、無錫に4工場を建て
こちらも成功を収めており
今でも
上海工場の跡地は
上海紡績博物館として利用されています。
なぜ、
この栄氏企業が歴史的に
重視されているかというと
この清末~民国時代にかけて
大成功を収めており
戦争中は相当な被害を被ったものの
当時の国民党政権の中でも
うまく立ち回ってきた有力者なのですが
国民党が
内戦に敗れ
台湾に行く時に
当時の起業家たちも
工場などを台湾へ移転していくことが
多く見られる状況の中
国民党による
その移転に大反対し
中国での事業を続け、
最終的にはこれらの工場や事業などを
公営企業として、中国の国営企業として譲った
という経緯が今の名声を高めています。
もともと
国民党政権に近かったのですが
戦時中の賠償が受け入れられなかったり
国民党の腐敗を間近で見たことにより
国民党への失望があったとされています。
栄氏企業とは言われながらも
家族企業として
当時から今でも続いている訳ではないのですが
以前、
日本の伊藤忠商事の
大規模出資で話題になった
中国最大の国営企業コングロマリット
CITICグループ(中国中信集団公司)は
この栄氏企業の
創始者である
栄徳生の息子、
栄穀仁が設立した企業であり
今でも栄氏一族の
経済での影響力は大きく残っているようです。
そんな展示を見ながら
中国郷鎮企業博物館は人もまったくおらず
快適に過ごせて満足なのですが
やっぱり
桜を見れなかったことが
心残りなので
係員に尋ねてみると
普段は夕方5時までだけど
このシーズンは夜間営業もしている
というありがたい情報をもらいました。
再度、黿頭渚へ向かうと
人も減っており
スムーズに入場できました。
夜にライトアップされた桜が
園内、庭園を覆いつくしており
屋台で焼きそばがあったり
部隊を設置してカラオケ大会をしていたり
にぎやかな雰囲気で
日本ではなかなか見られない
壮観な夜の桜を見ることができました。
なぜだかわからないですが
桜を見ていると
自然となぜか日本を連想してしまいます。
桜と言えば
本居宣長が
だいの桜好きで
300種以上の桜の歌を詠んだり
長い遺言にて
自らのお墓に
立派な山桜を植えて欲しい
と頼んだりしたことで有名です。
西洋(オランダ)から来た学問、科学が
主流になってきている中、
日本という国を理解するために
古典に立ち返り
古事記や源氏物語の研究をした
国学者という人ということもあって
本居宣長の詠んだ歌は
日本人の精神と重ねた解釈をされてきました。
(大和心や、もののあはれ)
他にも
哲学者の和辻哲郎が
「風土」の中で
桜が散り去る、
いさぎよさは
日本的な気質を象徴している
ということを書いていたり
やはり
桜というテーマになると
日本の精神と
結び付けるような話が
何かにつけて
よく浮かんできます。
桜を見ると
なんで日本を連想するのだろう?
と
昼間にずっと
博物館にいたせいなのか
ムダにぐちゃぐちゃ
意味もなく考えていたのですが
小林秀雄が
ある本の中で
そんなに無理に
やまとだましいのようなものと
関連させなくても
毎年見て
きれいなんだから
難しく考えなくてもいいじゃないか。
本居宣長も、
もっと前の歌人や
歴史上の偉人も
桜を見るのが好きだったし
今、桜を見ている私たちと
おそらく同じ気持ちなだけだと思う。
と
言っていたことも
思い出して
たしかに。
それはそうだと、
今の自分への説教のように感じ
綺麗な夜な桜を見ることに専念しました。
庭園に入る時は
スムーズだったのですが
結局、帰りは人が多すぎて
行列、渋滞に巻き込まれながら
庭園を出るのに
2時間くらいかかりました。笑
来年行かれる方は気を付けてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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