どんな工場にもそれぞれ独自の「慣習」があります。
日本の生産ラインをそのまま
持ってきた生産拠点だとしても
現地では別物になっていきます。
工場に必要な
日々の重要なルーティンには
標準や業務フローが作られ
よほどの問題が発生しない限りは
粛々とそれを回している。
どの工場も
一見そう思えるのですが
書かれていない、見えない
その工場独自の慣習に沿って回っています。
(「駐在員の手順書」STEP2をご参考)
慣習というと
その場所ならではの
「支配的な価値観」と
言えるかもしれません。
ある工場では
不良によるクレーム対応の業務フロー
というのがありました。
製造部と品管で
トレサビを調べ
代替品を送り
変化点を調べ
原因分析し
品管から
作成した再発防止書を
お客様に説明して
納得していただければ完了。
そんな
正式な流れがありましたが
慣習調査を進めていくと
実際は
品管がほとんどメインで
製造にヒアリングをしながら
再発防止書を作るという仕事をしている。
お客様からも
社内幹部からも
フォローされるのは
品管ばかりで
品管だけが焦り
自分ごとではなく
手伝ってあげている立場のような
製造に対して
再発防止対策を考えて実施する。
こんな構造になっていたため
再発防止書の内容は
品管が動かしやすい
検査員頼みの
流出対策ばかりになっていく。
根本の発生原因への対策をしなくても
再発防止書が承認されるように
お客様を納得させるスキルが高くなり
それで仕事が完結していく。
こんなことがありました。
一つの業務の中だけでも
いくつかの支配的な価値観(慣習)があり
・品質の問題は品管の仕事
・お客様が納得すれば完了
・対策というのは流出対策だ(無意識)
・・・
こんな価値観や
各部署の当たり前が
問題を生み出す要素として出てきます。
今まで多くの
工場診断や現状把握や慣習調査
インタビューを行ってきましたが
それぞれの工場には
本当に、オリジナルで予想もつかない
慣習がありました。
しかし、
そんな調査をしていく中で
多くの工場で共通する慣習というのも
見えてきます。
特に、
生産効率や生産性に
課題感を持っており
それに対しての
慣習調査を進めていくと
見えてくるのが
「出来高での工場管理」という慣習です。
これは
今まで調査した工場の中でも
かなり共通しています。
経営者としての課題感はあり
・スキル不足ではないか?
・効率を高めようという意識が低い、、
などが出てくるのですが
そもそも
生産計画を達成していたら問題ない
という慣習で生産のルーティンが回っています。
(製造部も関連部署も)
根本に
この支配的な価値観があるので
1日の時間の中で
500個できれば良い。
1個当たりの時間は関係ないとなってしまいます。
これは
受注量がこなせないくらい
多かった時の慣習が残り続けているからです。
この慣習自体を変えていかないと
生産性について
従業員が自分から
何かするということは起こりません。
慣習をどう変えるのか?
この慣習(支配的な価値観)への小さな介入には
3種類あり、研究も進んでいます。
(1)観察反応
(2)質問反応
(3)測定反応
があるのですが
工場ではほとんどセットで行います。
これは1番単純で
権限のある人
または、
権限のある人に依頼された人に
見られていると
慣習ではなく、正式な行動をすることです。
社長が視察に来る
顧客が工場監査に来る
などはこれに当てはまります。
これも権限のある人に
質問されることで
質問された項目が重要なこと。と認識し
ルーティンの中の慣習を変えるという反応です。
さっきの例なら
「発生原因はなんなのか?」
と毎回、聞かれることによって
「これが重要なのか、、」
と重視するものが変わっていくことです。
しかし
(1)と(2)では弱く
その場のみだけ慣習を変える。
だったり
あの人にはこう答えれば大丈夫。
という学習をしてしまうことがあります。
「何度も聞いてこないから、後で確認しますと言っておけばよい。」
「仕入先のせいだと言ったらそれ以上追及されない」
など、相手の特性に合った学習をします。
なので
(3)測定反応が重要になっています。
企業においては
測定すること自体が介入(対策)になってきます。
それは
測定する(可視化する)ということ自体が
その項目が組織として重要だ。
というシグナルとして受け取られるからです。
例えば
ある工場では
出来高管理の罠に陥っていましたが
生産性
サイクルタイム
細かい停止時間を
測定して可視化してみると
急に
以前より時間当たりの
出来高が増えていたということがあります。
特にデータを活用して
何かをしたわけではなくです。
どういうことかと言うと
こっそり
従業員が分からないように
測定したとすれば
特に変化はなかったと思います。
しかし、
こういう目的で今後測定する。
と周知して
従業員も理解してから始めると
このデータが
会社として重要なのか。
仕事の評価が、
この数値になるのか。
じゃあこうしておかないと。
という反応になり
測定で取れたデータが
以前の現実とは違う結果になるということになります。
(この場合は良くなったからいいのですが、、)
これが
測定自体が
介入になってしまうという意味です。
「測定すること自体が与える組織への影響」
という研究がそのまま出たような事例です。
(参考論文1-1.41%https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2045992)
測定反応の中に、
質問反応も観察反応も
含まれるのでうまく効果が
切り分けられないですが
測定すること自体が
良い意味でも
悪い意味でも(事実をそのまま取れなくなる)
行動に影響を与えてしまいます。
工場の問題を
生んでいる慣習を見つけ
測定することが
組織の慣習を少しずつ変えていきます。
と、言いたかったのですが
ちょっと話が
変わってきてしまいました。笑
測定自体が事実を変えてしまう
というのは
文面を見返すと
良くないようにも聞こえるので
書かなくても良かったかもしれません。笑
P.S
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