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カイゼン研究会(a-Sol上海) です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
6月29日、フランスで「反ファストファッション法案」が可決されたことがニュースになりました。
表立って名前こそ出していませんが、
などに代表される、中国企業の越境ECプラットフォームを食い止めるための法案です。
この背景には、中国の生産能力を活用し、中小工場の商品を海外で格安販売する越境ECが、世界中で急成長してきたことがあります。
過去コラム:<中国プチ情報>中国発のECサイト「Temu」がアメリカで躍進
各国には、少額な輸入品に対して免税措置を取る制度があります。
中国の越境ECプラットフォームは、この制度を逆手に利用し、低価格と豊富な商品数を競争力として販売を伸ばしてきました。
2025年には、アメリカがいち早く対策に乗り出し、すべての商品に関税をかけるという対抗策を取りました。
しかし、今回のフランスの法案は、さらに強力な内容になっています。
主な対策は、
といったものです。
単に関税をかけるだけでなく、需要を生み出す行為そのものを禁止する、かなり厳格な対策です。
もともと、これらのECプラットフォームは、商品を少量生産し、広告やインフルエンサーを使って、まず需要テストを行います。
クリック率が高い商品については追加生産を行い、さらに似た商品の企画や生産を進めます。
このサイクルを、ものすごい量とスピードで回しています。
ほとんど在庫を持たず、中国から商品を直送し続けることにメリットがありました。
これまでは、関税免除が最大の競争力だと思われていました。
しかし
実態としては、データ利用と広告による需要テストが事業の肝になっています。
このサイクルを高速で回し続けています。
さらに低価格であることも加わり、ユーザーが継続的に利用してしまう仕組み全体が強みになっていました。
今回のフランスの法案は、免税部分だけを対象にしたものではありません。
需要喚起や、それによるデータ収集をさせないために、広告や宣伝まで禁止する内容になっています。
つまり、価格競争力だけではなく、越境ECプラットフォームの成長を支えてきた仕組みそのものに手を打とうとしているのです。
EU全体でも、中国などから輸入される小口の商品が急増しています。
2022年には16億個だった輸入品が、2025年には60億個まで増加しました。
EUもこの状況に危機感を持っており、EU全体として一律3ユーロの課税を、今年7月1日から開始する予定になっています。
すでに関税が実施されたアメリカでは、関税開始前の駆け込み需要の反動もあり、開始月には取引量が約50%落ちました。
しかしその後は、以前ほどの急成長ではないものの、成長自体は続いています。
中国から消費者へ直接配送する形ではなく、アメリカ国内に倉庫を構えるという、一般的な販売形態へと変更しています。
それでも、
プラットフォームが持つ需要データに基づいた商品企画や販売という強みは健在です。
そのため、海外での成長は現在も続いています。
フランスは、こうしたアメリカの結果を横目で見ながら、関税だけでは不十分だと判断したのだと考えられます。
消費者に不利な法律は通しにくい
このような法律は、消費者にとっては直接的なメリットがあまりありません。
価格が上がったり、購入できる商品の選択肢が減ったりする可能性があるため、法案を通すことが難しいのです。
日本でも、このような理由から、まだ大きな対策には動けていません。
一方、フランスでは、
などを理由に、規制を進めています。
中国企業向けとは明言していませんが、自国の小売企業がなるべく該当しないように、新たなファストファッションの定義を作り上げています。
それが「ウルトラファストファッション」です。
何をもってウルトラファストファッションとされ、広告や宣伝が禁止されるのでしょうか。判断基準には、
などが含まれています。
この定義は、従来のファストファッション企業であるZARAやH&Mが、なるべく対象にならないように設計されているようにも見えます。
そのため、
中国ECプラットフォーム側は「不平等な規制である」と反発しています。
中国の越境EC企業の強みは、単に価格が安いことや、関税免除を利用していることだけではありません。
広告によって需要をテストし、データを集め、売れそうな商品だけを追加生産する。
そして、中国国内の膨大なサプライヤーネットワークを使い、短期間で大量の商品を市場に投入する。
この仕組み全体が、競争力になっています。
アメリカの事例を見る限り、関税だけでは、この強みを完全に失わせることはできませんでした。
そのためフランスは、広告やインフルエンサーによる宣伝まで規制し、需要を生み出す仕組みそのものを止めようとしています。
今回の法案は、越境ECに対する規制が、価格や関税の問題から、データ、広告、消費行動の問題へと広がり始めたことを示しているのかもしれません。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
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(今日は広東省に行ってきます!)
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