おはようございます。
カイゼン研究会です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
中国の国民的スター
「劉翔」ネット上での発言が
大ニュースになっています。
2004年に
アジア選手で初めて
陸上競技110mハードルで金メダルをとり
当時の世界記録も打ち立てた
中国で
知らない人はいないくらいの
スーパースターでした。
圧倒的な強さで
2008年中国初の開催だった
北京オリンピックで
全国民の期待を背負って
出場しましたが
一時予選でのフライング、
(これは当時よくあること。今は一発失格。)
その後、
2回目のスタート前に
「棄権」を宣言し
北京の観客、
TVの前の全国民に
大きな衝撃を与えたことが
今でも記憶に残っています。
試合に出るたびに優勝劉翔でしたが
当時どれだけ大きなプレッシャーが
彼にかけられていたかが分かる出来事でした。
私は陸上部だったので
日本に試合で来ていた劉翔を見に行ったり
アジア人として
強豪選手をなぎ倒していく姿は
憧れの存在だったのですが
中国に来て
誰もが知る国民的スーパースターだったこと
を知りました。(引退後もメディアに引っ張りだこでした)
そんな劉翔が
引退して11年がたった
先週に突然
ウェイポー(中国のツイッターで)
「政府(体育局)に
手配したコーチとしての仕事をするか?
それとも、補償金をもらって体育局を抜けるか?
と言われている。どうしたらよい?」
とつぶやいたことがニュースに発展しました。
これだけでは
わかりにくいので
中国のスポーツ育成の仕組みを見ていくと
日本との大きな違いが分かります。
日本では
ある競技を
家庭や子供が自ら選んだ後
その競技人口の中で
クラブのスカウト、コーチの推薦などで
クラブチーム、強豪校(中学、高校、大学)、
実業団、プロ
のように
競技に寄りますが
学校や民間クラブによって
それぞれ上がっていくルートがあります。
それに対して
中国では
小等・中等体育学校という
スポーツ専門の学校があり(体校)
まず、
そこに入るというのが
国を代表するような
アスリートになる道としては
かなり標準でした。
体育学校のコーチは
普通の小学校や中学校を
巡回して
スポーツをする様子や
スポーツテストの結果を見て
才能を発見し、体育学校に勧誘する。
というのが一般的でした。
その人物の身体の素養から
訓練する競技が決まる場合も多く
特に
オリンピック競技だけど
マイナースポーツ
飛込や重量挙げなどは
もともと
子供がその競技をしていた訳ではなく
コーチがこの競技に向いている
という判断をして
体育学校で
訓練していくという流れになります。
その後は
体育学校で
頭角を表した人だけが
「省隊」という
各省の体育局という行政に属し
(この段階からは報酬が出る)
各省の代表となり
そこでも結果を残した人が
「国家隊」というオリンピックなどでの
中国代表になっていく仕組みです。
国として
オリンピックの金メダル数など
力を入れていることもあり
かなり低年齢の段階で
飛込や重量挙げ、射撃などに
特化して体育学校で
トレーニングを積むような
仕組みになっています。
競技人口があまりいない
オリンピックスポーツでは
この
体育学校から省所属になり
国から報酬をもらいながら
トレーニングして育成する
システムはかなり成果を上げており
飛込や重量挙げでは
いまや敵なしの状況になっています。
しかし、
裏を返すと
メジャースポーツでは
このシステムで成果を出せいている
という訳ではなく
劉翔のように
競技人口の多い
トラック競技で
ここまでの成果を出す選手は
あまり再現性がありません。
(サッカーやバスケットボールなども、、)
ちょっと脱線しましたが
こんな仕組みがあるので
中国のスポーツ選手は
ある段階から行政所属(省所属)になり
どれだけ有名になっても
広告費などは個人とコーチと行政で分けたり
するような状態になります。
普通は
引退時に
その省の中で次の世代を育成をする
コーチとしての仕事を割り当てられるか
その省の所属から抜け
自分で仕事をするかという手続きがあります。
金メダルを取るなど
メディアで大きく取り上げられ
知名度の上がった選手の多くは
自分でスポーツ教室を開くと
かなり儲かるので
この道を選ぶのですが
劉翔の場合は
あまりにも功労が大きく
引退後も、しっかりとした線引きがされないまま
今になっていまいた。
省への所属は続いていながら
特に手配された仕事がある訳でもなく
自由に過ごしていたのですが
先週急に
体育局から選択を迫るような
連絡が来たので、驚いたということを
ネット上で発言したからニュースになりました。
これは、単純に
この省の体育局の管理が杜撰だっただけであり
中央政府からの監査が入った際に
引退後のスポーツ選手に関して
行政所属で
名簿に名前はあるけど
何も管理されていない実態を指摘された
というのが発端です。
その結果、命令を受けた
上海体育局が
劉翔の身分を
確定するための
手続きが機械的にとられ
劉翔からしてみれば
11年も何も言われてなかったのに
急に
省の仕事をするか?
行政所属から抜ける手続きをしてくれ
と冷たい連絡が来たので
引退時には何も言わなかったくせに、、
広告費なども分けていただろ、、
と突然の対応に不満を漏らした
ということでした。
近年は
このスポーツ教育と
行政一体のシステムは
かなり変化しており
中国の経済が豊かになってきたため
今では
コーチの推薦があっても
親が体育学校に入れさせない。
というのが増えています。
(省代表に慣れなかったときのリスクが大きい)
以前は
体育学校→省隊へのルートが
アスリートへの標準で
体育学校に入らないということは
プロ選手を目指すルートはあきらめる
ということだったのもあり、
そんな大きな決断を
小学生くらいで
両親と共にしていました。
今は
体育学校だけのルートではなく
通常の学校に通いながらでも
クラブチームや試合で
結果を出せば
省隊に入ることは可能に
変わってきているということです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
P.S
いつもコメント、ご感想ありがとうございます。
中国での接待や会食の話をたくさんいただき、特に中国企業との会社の話は大変面白かったです。笑
また楽しみにしておりますので、いつでもメールくださいね。
P.S
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